川上未映子×マームとジプシー | 神奈川公演 感想
川上未映子×マームとジプシー
MUM&GYPSY 10th Anniversary Tour vol.2
「みえるわ」
以前より気になっていたマームとジプシーを観に行ってきました。
調べてみると川上未映子×マームとジプシーは2014年にも行われていたようです。
(2015年には原田郁子×マームとジプシーというのもやっていてそれも気になる!)
今回は神奈川県公演で場所は開港記念会。
初めて足を運びましたがとても趣のある外観でみる前からかなり気分上がりました。
こういった公演にはある程度嗜好や空気感の近い人間が集まるせいか人が沢山居ても居心地の悪さを感じないのが心地良いまでいかなくとも良いです。
受付を済ませるとヒグチユウコさんによるイラストと冊子が。
開始30分程前に入場。
なかなか前の席を確保できました。
入場の順番はアナウンス的に会場に着いて並んだ順かと思いましたがどうやらメールでの申し込みの時点で整理番号が決められていたようで会場によりますがそこまで早く行く必要もないように感じました。
開場。公演スタート。
まず青柳いづみさんの表現力が凄まじかった。
川上未映子さんを彷彿するような容姿の青柳さんからは絶えず「先端で、さすわさされるわそらええわ」が独自のリズムと迫力で一気に語られていく。川上さんの小説は何冊か読みましたがあの文体の独自性を圧巻の演技力と絶妙な音階で表現されてました。
そこに光と衣装と音と言葉が違和感の中で混ざり合っていき、マームとジプシーがどんどん膨らんでいくのを感じました。
そこから
「少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ」
「戦争花嫁」
「治療、家の名はコスモス」
「冬の扉」
「水瓶」「夜の目硝子」
へと続いていきその最中青柳さんは一人であらゆる世界を表現していました。並外れた表現力と愛情だと思います。加えて音も光も衣装も織り混ざり引き込まれ徐々に馴染んきます。
話している内容は正直早い段階から言葉として耳に入ってきておらずあまり理解できませんでしたが僕以外の人もだいたいそうなのかなと思います。笑
ですが、「みえるわ」というタイトルのこの公演で青柳さんが視界を布で隠すシーンがあります。この演出の最中が1番言葉が響いていたように感じました。
そして
「世界にはとても色が多いこと。そして一度もみることのないものが、私のほとんどであることを。」
これが「みえるわ」だったと思います。
ほとんどの人にとっても一度もみることのないこの公演、マームとジプシー、の中に居たんだなと帰りにぼんやり思いました。
機会があればまた足を運びます。